【ギラ地蔵】5連準即アポノック〜2日目〜
- 2015/04/21
- 15:54
営業における勝ち組と負け組があるとするならば、
その違いは負け組は勝ち組ほど失敗していないということだ。
営業において、敵は常に自分の中にしかいない。
Plan。
・序盤の褒めは捻る
・ルーティーンの使用回数を増やす
・時間を守る
・既存の知識で行動を縛らない
Do。
19:00。某駅。黒のキャンバスに灰色をぶちまけたような曇り空。一滴づつ雨が降る。傘が必要か必要じゃないか、悩む天候だ。
私は2人目の契約ターゲットが来るのを待っていた。ミリタリージャケットに、青のニット帽の格好できていた。
桜が散り切った春なのに少し前の冬と間違える寒さだ。足踏みをして気持ちと体温を少しだけ持ち上げる。
先日は体に触れただけであった。私自身のエントロピーを解決するという目標は達せられなかった。だが流れは悪くなかった。初めてにしては、だが。無駄が多く気持ちが揺らぐ時が多かった。
私は今日の成功を精巧にイメージしながら彼女が来るのを待った。
彼女は以前私が通っていた美容院のスタッフ。会うのは1年振りだ。どんな顔をしているだろう?懐かしい。
AFC時代にラインを交換した彼女。渡したはいいが返事がない。次に行った時に催促をし、ようやっとやりとりを開始した。今思えばとんでもない非モテっぷりをさらしていた。
だが私は今はPUMだ。
知識を携え、世間一般男子AFCよりも多くの失敗という経験を経て数こそ少ないが成功を少しづつ積み重ねていっている最中だ。以前の私とは違うはずだ。
それに過去の記憶を頼ると食いつきは悪くなかった、趣味嗜好がかぶっており価値観も同じ。話が心から盛り上がることができる存在である。面識もあるわけだし、もしかしたら前回の子よりも簡単にことを運び、即契約を果たすをすることができるのではないか?
そう思っていた。
喉が乾く。
喉の奥に何か消失感、肩の筋肉が収縮し、代わりに首にある脊髄が上空に吸い取られていくような感覚。
私の緊張の前兆。
動悸が高まっているのを感じた私は無意識レベルで緊張していたことに気がついた。
ブレスケアを一粒噛み潰し、ミント液にフェルタリングされた私の二酸化炭素を吐きだすことで無理やり落ち着きを作る。
待ち合わせ時刻5分過ぎに、
『もうすぐつくー』
との連絡。
もうすぐといったが彼女は30分遅れて到着した。
歳 22歳
職 美容師
顔 キャリーパムパム
値 スト値2 (顔面偏差値54)
概 私が昔通ってた美容院の担当スタッフ。プライベートは初。
彼氏しばらくいない。
そう、思っていた。
キャリ「ごめーーん!」
集合時刻に平気で遅れる人間はだらしのない人間と思えてしまう。ましては時刻過ぎた頃に遅れるとの発言。あまりいけ好かない。形式だけにしかみえない謝罪に聞こえてしまう。私は心が狭い生き物であろうか?
私「え?だれ…?笑」
キャリ「あ、すみません…人違い…」
私「なんだよーキャリかよー笑 誰かと思ったわぁ笑 知らんうちに雰囲気いい感じになったな」
キャリ「びっくりしたぁ!笑 えー、そぉーう?笑」
ネグ褒めをつかいやり過ごす。
出だし褒めは好調だ問題ない。
私は少なくとも彼女は平気で遅刻するようなキャラではないと思っていた。もし遅刻するのなら30分前には言う人だと思っていた。店とプライベートではキャラが違うのか?私の勘違いだったか?
だが落胆してはいられない。
キャリパムに苛立ちを覚えに来たのではない、本当のキャラが如何であろうがを即するために来たのだ。それに遅刻女子はいままで散々見てきたので慣れっこだ。気にはしていない。
そう思った。
私「ん?香水つけてるん?」
キャリ「うん。つけてるよー」
私「いい香りだね。おばあちゃんの家の仏壇前みたいな香り」
キャリ「えー笑」
褒めネグをする。自然に言えている。
キャリの反応も悪いものと感じない。
悪いスタートではないのだ。
時間ルーズ女子という可能性は確かに予定外はあったが大丈夫だ。
キャリのキャラが私にとって悪いものになる訳ではないし、目的は即。昨日と同じようにやれるはずだ。
そう思った。
いや、思っていた。
思い込もうとしていた。
なぜ過去形か。今宵の『予定外』はこんなものではなかったのだ。
19:30。居酒屋
まず一つ目の予定外が起きた。
予約を取っていたカウンター席に通してもらえなかった。遅刻したからか?私は遅れると時間前に言っておいたはずだが。対面席に通される。
彼女を先に座らせ店員に話を聞きに行く。申し訳ございません。店側の問題だった。
「ただ、今もうその席しか空いていなくて…」
マジかよ…
不満の音が脳から外に溢れ出そうになる。
これでは予約をした意味が…コレではボディタッチが…!
急なトラブルに慌てる私。どうする…どうすればいい?
だが店員に怒りをあらわにして店を変え、面倒な雰囲気にしては意味がない。今から予約なんてできやしない。ここは余裕を持って動じていない態度をせねばならないか。私は現実を受け入れるしかない。対面席で戦いを挑むこととなった。
席に戻ると見慣れないものが彼女のテーブル脇にあった。
タバコ。
私の予想外の二個目であった。
私「あれ、タバコ吸うんだっけ」
キャリ「すうよー」
一本取り出し火をつけるキャリ。
私「そっかぁー。そっちの職場忙しいしみんな吸ってるもんな。吸いたくもなるわ笑」
キャリ「んーと…実は中学から吸ってたの笑」
私「ええ!マジでか笑」
動揺する私。
過去の記憶を繋げて想定してきていたキャリのキャラが違う。
だ、大丈夫、これは…まだ慌てるような状況じゃない、ボケで返せばいい。
私「キャリってまさかのヤンキーだったんや笑 スケバンかー。あー、だから今日はロンスカなんだな」
キャリ「スケバンて笑 古笑 」
うまいとこ私の動揺を打ち消すことができた…と思う。笑顔と笑いを作らないとやばいって思うくらい動揺をしていたのだから。できていたと…思う。
キャリ「あれ、君って吸うっけ?」
私「うん、すーよー。でも今さっき切らしちまったわ笑」
本当は吸わない。
タバコの臭いは衣類に染み付き、落ちづらい性質がある。嫌いな女の子もいるわけだから営業師は吸うべきではないと私は考えている。
タバコという存在は嫌いではないし吸うことはできるけど、彼女が吸ってたら全力で辞めさるタイプなのが私という生物だ。だって君の顔のお肌が悪くなるのはお勘弁だぜ。
だが喫煙者達が税金や都内の条例によって社会から迫害されているのはよく知っている。だから話をする相手が喫煙者だったのならばそれに合わせるのがいつもの私だ。喫煙者は嫌いではない。だって私、堀北真希のファンだもの。
私にとって彼女がタバコを吸うのは本当に予想外だった。びっくりした。こんな人畜無害そうな顔でもJC時代から吸っていたとなるとほんと意外だなと感じる。だが人の嗜好は性格を否定するものではないし、即を目的にするにあたってタバコの有無は影響はないはずだ。
そんなに慌てる要素はないはずだ。
ないはずだ。ないはずだ。
喉が渇いてきていた。
気にする要素ではない。
ただ、のどが乾いただけだ。緊張の反応ではない。
注文したハイボールが届く。
乾杯した。
彼女の方がグラスが上だった。
気にする要素ではない。久しい関係でグラスが上下影響が出ることなんてない。
私は気にする必要なんてないところに少しずつ目が行き始めるようになっていた。そしてそうした自分を否定をし…をぐるぐると繰り返しす。
私の目の前に座りタバコを吸っているキャリ。彼女が煙を吐き出すたびに私のなかに何かがつり積もって、現実と私のなかにある何かとの乖離が少しずつ生まれてきているのを感じた。その度に否定をし開かれた隙間を元に戻そうとする…
対面席だ。どうでもいいそんなことより目の前の敵の攻略法を考えろ。
私はミラーリングを使用した。前回無理に知識に縛られない方がいいとやらなかったミラーリング。対面席での突破口はもうこれしかない、と私の思考は結論した。
しかし私は本当は躊躇っていた。ミラーリングを使うことを。何故ならば、まだまだ下手くそなのだ。
そもそもミラーリングとは
相手自分→相手自分→相手自分→…
自分がまるで相手の写し鏡となるように自分の仕草や行動をすることで、視覚的な観点からラポールを作り上げていくテクニックだ。
相手と自分がほぼ同時のタイミングで行動を起こすこと。だがいまの私のミラーリングはこうである。
相手→私→相手→私→相手→…
つまり、相手に少し遅れて慌ててついていくかのように行動を起こしている状態なのだ。未だに完全にシンクロできない鈍臭い下手くそなのだった。
そしてミラーリングは真似るだけじゃ効果は薄い。本当に意味があるのはその先で、「相手が行動しようとする少し前にミラーリング使用者が行動をし、相手が自分の真似をしている状況を作り出すことにある」ということ。これは某ブロガーの方がミラーリングを使う理由としてあげていたことだ。これが出来なければミラーリングの意味がないのだ。これをするにはとても注意深く観察をしなくてはならない。
なのでこの対面席では一貫してミラーリングを試してはみたものの…結果は惨敗。友達にやったり練習してみたりしているのだが一向に良くならない。向いてないのか…しかし対面席での突破口となりうるので、もっと経験を積むしかなさそうだ…
下手くそなミラーリングを混ぜながらたわいもない会話をする。
このフェイズで引き出すべき情報はキャリの価値観だ。
私「そいや職場もう転勤したんだっけ?」
キャリ「んー?あー、まだあのお店で働いてるよー!」
私「おー本当にー?前に何処だったかに異動するー言うてたけれども」
キャリ「んーと、そだねぇー研修とかもうないからなぁ」
キャリ「会社的にも別にポンポン異動するとかはないよ笑」
私「そーなん笑 んじゃもうあそこ結構長いんだね」
キャリ「そだねぇ。5年たつなあ。」
回答が早いな。全ての質問にしっかり答えることができている。だが不信感。
今思えば確かに彼女は私とのラインで
異動すると思う、とかいっていたぞ?
これはまさかな……
彼女が飲むペースが速い。それに合わせて私も氷が存在することで0度に保ったままのハイボールを半分まで飲み干した。冷たさが頭のコメカミに込み上げてくる。
ふと肩の筋肉が緊張した。冷たさがコメカミだけでなく肩にまで凍らせたか?それとも早速アルコールが回ってきたか?ウコンはしっかり飲んできた。悪酔いはしない。
動悸が肋骨を通じて感じられる。
間違いない、私は緊張していた。
時間経過に伴い継続する緊張の不信感。私の中に蓄積してゆく不信感という違和感。今違和感を感じる私の「彼女に関する記憶」と今「目の前にいる彼女」との齟齬と乖離。当然のように降りかかる予想外の出来事。
この時、私の意識はこの時間とともに蓄積してゆく違和感の正体に気がついていなかった。
だが、本当はもう、無意識下では私のキャリに関する記憶を整理してしまっていてもう気がついていたのかもしれない。だから肩が凍ったのかもしれない。キャリは…彼女は…
私の営業だったということを。
私「どうよ?仕事の調子は?」
キャリ「んー、ぼちぼち充実しながらやれてるよー」
私「ほんとー、いいね。えーと、今は後輩の指導とかもしているんだっけ?」
キャリ「そだね。今後輩がねー
…
私は会話を続けながら、私の中で記憶として存在していた彼女と今対面で座っている彼女という存在の答え合わせをしていた。
私のなかにバツ印が加算されていく…
20点
答え合わせの結果は赤点だったのだ。
予想外、予想外、予想外の連続。
私は呆気にとられてしまったのか、混乱してしまったのか、恐怖してしまったのか、絶望してしまったのか、もう訳がわからなかった。混沌とした感情は確実な動揺を生み出していた。
だが必死に考えないようにする。意識にあるところではではその過去の記憶を頼るのをせず得られた知識を整理して彼女の求める価値観や理想的な彼氏像を構築させようとしていた。頷きながら、同意しながら組み立てていった。
いや、本当は
組み立てようとしていた、だけだった。
彼女は
私と同じで、のんびりするゆったりした時間が好き。音楽はロキノン系で私とダダかぶりで話がいつもはずむ。仕事が忙しくて大変な思いをしているのだろう。ヒトカラによく行き彼氏は現在なし。というかしばらくいないらしく、その姿はどうしようかなと半ば諦めているかのように見えた。
湾曲された記憶であった。
私が彼女が「営業で」私に対して作っていた情報を妄想で彼女という人間の中身を勝手に過大に私に都合よく作り上げていた。
目の前にいる彼女は
上昇志向の持ち主でナンバーワンになりたいと思っている。なよなよしている後輩が自分とは合わないなぁと最近感じている。自分は先輩をも超える存在になりたいと思っている。でもあんまり干渉しすぎるのもやだなぁと思っている。そんな自分が嫌だったから強く指導できる人になりたいと思っている。
アクティブな生活。家にいることがあんまりない。退屈は嫌い。仕事は大好き。
バンドでボーカルをしていた。
三年間同棲していた彼氏がいた。職場の人にばれたくなかったからお客さんには秘密にしてた。最近別れた。彼氏に対しては熱しやすく冷めにくい、らしい。
今まで付き合った彼氏人数は5人。わりと長く続くため途切れたことはなかった。
意識では否定しているが、やはり無意識下では悲しんでいたのだろう。だから今のようなアレになっていってしまっているのだ。
やらねば、やらねば、なにかやらねば、なんとか会話を深堀し切り開かねば、タッチできないどうすれば、あぁ今さっきあんな言い方をすればよかったどうすれば、ミラーリングが上手くいかないどうすれば、トランスに持ち込み、ラポールを…
脳内で目の前の現実と私の中の非現実と目的に沿っていかねばならない未来が頭蓋にぶつかるようにして反響していた。
パニックとなっている私は彼女の話を聞き、何かしらのアクションをし、時間が経過すればするほど段々とAFCのそれに近付いていった。私の纏う空気が負けよりに傾いている。
会話に空白が入る。
空白に入るたびに私がなんとか絞り出した即へと誘導するに当たる価値観の引き出しや恋愛観等の話題を提供していくことになった。
恋愛トークや下ネタは相手の契約のイメージを強固させてそこへ導く雰囲気を作り上げるものだ。
雰囲気もクソもなかった。
私はただ空白を恐れるあまりそれを埋めるためだけの理由でこれらのトークを使っていた。
キャリ「4gのラージャンとテオ本当にやばい!」
私「そなん?ただでさえ強いのに更にかよ笑 よし、じゃあ二件目に行こうか」
状況を変えるしかない。そう判断した。
キャリ「あ、私…」
qb
『終電前には帰るよ…明日仕事だから』だろ、言わせない。
私「終電は何時?」
彼女は時計を見ながら終電の時間を『この場で』調べ始める。
キャリ「私、終電前には帰るよ。昨日オールしていたし、休みたい」
グダだッ!建前…予防線だッ!
ここだ!ここが勝負所だ。なんとか切り開くんだ!この最悪な自分の状態を!ここで言うべき言葉は知っている。私にしては珍しくルーティーン化されている場面だ。
私「俺はもっとキャリと話がしたい。つまらなかったら帰ってくれていいし、もしも話していて終電が過ぎちゃったらタクシー代はだすから今夜は付き合ってほしい」
言えた。なんとか。連れ出せ、なんとかして妥協させろ。自分に勝つんだ…!
さぁ反応は…
キャリ「いや、タクシーは悪いよ…」
俺に悪いと思うのならついて来て
トーキングタイフーンでまくし立てながら次の店へ向かう。
のだが…
その言葉は記憶の彼方に埋もれていて意識上に浮上せず、言葉として発することができなかった。
21:15 カラ館。
私は彼女の終電グダを受け入てしまった。代わりにカラオケを打診した。1h。私は終電までに急ピッチで即を決めることに方向転換した。
だが状況は悪かった。アコール度数は少ない。今からの身体接触。
更に打診の仕方も悪かった。ハードルを下げるためにバンドでボーカルしていることを引き出して
私「ボーカルの歌声きかせてよ!笑」
といってカラオケを打診した。
1hの間に即だぞ?歌ってはいけないだろう?1hでかなり時間ないのだぞ?
彼女のカラオケセンスを持ち上げるようにしながら会話をする。
もう遅かった。彼女とは違うドリンクを頼み、指定された部屋に入る。
私は彼女の隣に座る。
彼女は私に背中を向けるようにして座る。
私が歌う
彼女が歌う
引くぐらいうまかった。
私は以外と歌えるキャラでいたのだがこれは完敗。彼女のうまいじゃんの発言は皮肉にしか聞こえなかった。
彼女と私の音楽趣味はダダかぶりだった。彼女は私の好きなパンクの曲を入れる。
キャリ「あ、シャウトはできんから笑」
私「じゃあ俺がシャウトするわ笑」
キャリ「えっ?マジ?笑」
してはならなかった。
私のシャウトが終わる。
キャリ「ウケる笑 」
雰囲気をぶち壊した。
私が今度はデスボイスの曲を歌う。
キャリ「面白いね笑」
彼女はそういった。
引き笑い、失笑だった。
彼女が曲をまた入れる。
『ビックバン』
そう表示されていた。
予想外。
韓流だ。知らない。
だがノリ合わせ技はできる。
時計を確認する。
21:45。もう30分。残り30分で即をする…!できるのか?
彼女の曲を聞き入ってしまったと告げ、会話の流れに入る。
SMどっち?
→えー、わかんないなぁMかも。手のっけてみ?、えっうん、爪見せて、はい、隠れエスやな。えーそなん?、何々がこうでこういうところがあるよね、まぁーそうかも、そういうところが潜在的にキャリの中にあるんだでー
理想の彼氏像は?
→高身長。昨日の人もせが高い人で…気になっている人だったの。ヒールとか履くと気を遣っちゃう、身長いくつ?155㎝、俺は彼女高身長ばっかだったで。こんなんだし、えっそうなの?
どんな甘え方するの?
→こ、こういうかんじ?笑、ちょっと分かりずらい試しにやってみて笑、彼氏じゃないとしない、大丈夫大丈夫テストするだけだから点数つけたる、えー、グダ
キス何点?
→えーわかんないし
話しながらボディタッチを加えていく。
肩、腕、肩、肩…先にいけない。SMテストで触ったくらい。
握れない。握れない。
彼女が曲を入れる。
またビックバン。
知らない。形だけ乗る。
彼女がデンモクをいじる。
その横で言葉を当てていく。
ヘアテスト。三つ編みルーティーン。
→できるの?最近はまってる。ショートだからむりくない?笑 諦めぬ!笑 あ、抜けたらすまんな笑リーブ21のお金は出したる笑 絶対やめて笑
私はタッチすることに囚われていた。
もう意識でもはっきりしている。
彼女がどんどん私に壁を作っている。
崩せない、どうしよう…
行動。
更に壁が強固になる。
キャリ「あ、もう結構経ってるね」
そうだねと肯定する。
ひしひしと感じる。
もうわかっていた。負け戦であった。
でも行動してしまう。
異なる行動、逆効果の行動。
私はなにか深いトランス状態になってしまったかのように、何かに洗脳されるかのように行動を続けてしまっていた。
逆効果の行動を発言をどんどん続けてしまう。私は
私「〜〜なんじゃないかなぁ」
キャリ「そうだね。これ入れるね。」
AFCになっていた。
キャリ「じゃっ、帰ろ」
エレベーター。
最後のギラつく場所、ギラつこうと彼女に向く…
が、私はすぐに背をした。
帰り道。
彼女の使う線まで見送るため付いていく。次の機会の打診。今みたいイベントある。いいねー。いつあいてん?5月は予定埋まっちゃってるんだー、私暇な日作りたくなくて笑
彼女は私が腕を伸ばしてギリギリ届かないくらい一歩前を歩いていた。
私「キャリーさ、今日はスッゲー俺に壁作ったよね。」
私が話しかけるとふと彼女は慌てて私の横につく。
キャリ「いやーぁ、そんなことないって笑」
私「ほんとに?笑俺今日ベタベタ触ったで?笑 自分の中に土足で上がられるのとか壁作ってるところに無理やり正面突破してくる人嫌だって言ったよね。俺は今日、キャリのその壁をベタベタとこの手で触れまくったよ?それでも何も感じなかったの?」
キャリ「そんな…嫌な気分になったり悪い思いはしていないよ、大丈夫だよ」
私「大丈夫って何が大丈夫なの?」
キャリ「えっ…それは」
私「キャリの目、綺麗だよね。俺結構好きなんだ」
キャリ「えっ、あっ、そ、そんなことは言われたことない…」
キャリ「君も気になっている人がいるって言ってたじゃん?その人といいかんじになれればいいね?」
私「ちょちょちょ、ちょとまてちょとまてオネーサーン笑」
キャリ「でた笑」
私「いったじゃーん笑 俺は静かな奴が嫌いなんだって。上昇志向で野望を持っているアグレッシブな子が好きなんだって笑」
キャリ「えー笑、うーんー笑」
私「キャリって適当だよね笑 長い人の会話を聞いていると忘れてしまう時、あるよね?」
キャリ「まぁーうー、笑」
私「そういうところのあるキャリのこと俺は好きやで笑」
キャリ「えっ、なにそれーどういうことー?笑」
私「なにってねぇー、あっ。ねぇねぇ。そういえばこの服どこで買ったの?」
キャリ「え?えーと」
契約打診
キス
触れるか触れないかの距離。
ギリギリのところで停止させる。
接してるような接していないような。
距離は限りなくゼロに近い。
彼女の反応は、
ノーグダ。
私のちょっとした微動で二人の唇の接触面積が増えた。またそのまま静止させる。
5秒後。
解放。
キャリ「…」
私「ほら、なにぼけっとしとん?ここがほにゃらら線だよ。俺はJRだからもう行くな笑。ほな」
キャリ「あ…えっ…待って」
私「なぁに?」
キャリ「うん…またね…」
私「ばいばい」
私は逃げるようにその場を離れた。
何故彼女の手を引いていく事ができなかったのかわからない。
だが今はなにも考えたくなかった。
「戦いを」自ら放棄した。
脳に突き刺さったその現実が思考と私の実際の行動を乖離させていた。
自分自身を見失っていたのか。
なにも考える事は出来なかった。
20歩歩いたあたりでスト値3のギャルが私の目の前を通り過ぎた。私は吸い込まれるように彼女を追いかけ、バックを持っていない方から追い越し、振り向いて声をかける。
「ねぇ。」
「…」
目が合わない。ガンシカ。歩を早める。私もそれについていく。
「君は失恋を経験したことある?俺はあるよ、今さっき。」
ガンシカ。ギャルの早足についていくのを諦めた。
こうして
二人目の夜を終えた。
寝て起きてラインを確認する。
彼女からのメールは来ていなかった。
Check。
ダメだった点の羅列。
・服装、ニットミリタリーはガキみたいだ。実際に物件は大人らしさを求めていた。スーツアクセが安定。知り合いだったからと完全に甘えていた。
・カウンターで予約をしていたのに対面席に通された。文句を言おうと思ったが彼女が先に座ったため印象を悪くするのはよくないなと思い諦めた。よって一次会でボディタッチができず。手相チェックで少しだけだった。ボディタッチもできない状況でセクシャルな話題をしてもテーブルという壁がある以上うわべだけの会話しかできない。
・対面座席での口説き方を身につけるべきと感じた。ボディタッチは出来ずとも会話でラポールを築くことはできる。
・上の失敗により今日の私はボディタッチにとらわれ過ぎていた。そのためこの後のカラオケで意味もなくベタベタと彼女に触れた。結果気持ち悪い印象を与えてしまった。触らずにラポールを築く術、つまり強力なトークを身につけねばならない。まずは会話でラポールを築けたりトランスに持って行かせるためのテクニックを身につけよう。
・悪い状況を切り開くために自分から切り上げることができた。そこはよし。しかし二件目いくかと打診すると終電前に帰るグダが発動。先輩方の終電グダ崩しは調べていなかった。だが私はネトナン時代に身につけたものを持っていた。ここは「お前ともう少しだけ飲みたい、もっと話したい、タクシー代は出すから付き合ってくれ」と熱意をぶつけるところだ。私は熱意をぶつけられなかった。肝心の部分、お前ともう少しだけ話したい、を忘れていたというのが近いかもしれない。「そんなタクシーは悪いよ」の言葉に「悪いと思うならついてきてよ」と返すのが普通に考えたら常識だろう。常識が出て来ず。「じゃぁ…」とアルコールが足りない状態で別打診してしまった。彼女のグダを飲み込んでしまった。
・二次会はできぬと判断した私はカラオケを一時間取ることにきめた。それはよいが、カラオケに入った時点でギラつかねばならなかった。そしてアルコールが少なかった。
・カラオケでは歌わないほうがいい。歌った結果向こうはうまかったわけだし、格下に見られただろう。少なくとも俺自身が彼女の下に感じてしまったためおだてることしかできなかった。
・カラオケでの失敗はギラを一度もしなかったことにある。今回の一番の反省点だ。ギラつかないのはPUM失格というのは周知の事実なのに、だ。嫌われる覚悟を持てていなかった。結果的に彼女はキスを受け入れることが出来る女であった。何故ギラつかなかったのか?
・終始体を斜めに向けていたから拒絶反応だなと感じ、ビビってしまっていた。敵前逃亡。何度かこっちを向いた時が数少ないチャンスだった。
・トランス→発言打診ギラするタイミングがとりずらかった。相手が内的な場面になる質問投げかけるとすぐに回答し、ペラペラしゃべるタイプだった。間髪入れずに挟む必要があるのではないかと言葉出そうとしたが最後までタイミングを計ることができず、入れることはできなかった。恐らくこのタイプは前日の物件に有効だった質問トランス打診法は効かない。
・質問トランス打診法で攻めるならば恋愛トークをしている時にいきなり31+4=?と質問して、えっ…っと詰まった瞬間にアクションを起こせばよいか。とにかく会話を乱す必要がある。
・環境不利で予定通りにいかなく、パニクっていた自分もいる。真のアドリブ力を鍛えねばならない。
・理想はどんな人→背の高い人。完全に俺へのメタを張ってきた。デート時に理想は背が高い人と言われて成功した試しがない=つまり今俺への食いつきが悪い。続いて出てくる言葉は私が求めなくとも「私は気にしないけど彼が気にしてるんじゃないかって気を使っちゃう」がテンプレで出てくる。つまり理想は背が高い人と言わせなければ食いつき×ではないと伺える。もしもテンプレの後半が出る前にテンプレを私が言うのならば。
・対策としては食いつきが悪いと感じたのならばその発言をあらかじめ潰しておく。「君って綺麗だよね。麒麟みたいな顔した男に好かれそう。」とネグを言っておく。何それ笑→麒麟みたいにひょろーっと身長長くって、食事中はもっしゃもしゃくちゃくちゃしているような人に好かれそうなんだよねー、男の人にさ、言い寄られると引たり逃げたりするタイプでしょ?→まぁそうだね。これで身長高い男子は嫌いになる笑。そうすれば内面的理想を掲げるはず。その子の本当の内面的理想が引き出せたのならば彼女内面的褒めを使っていき、それに合わせた理想男演じ。
・もしくは気にしないでスルーか。理想の男って何って聞いた後発動したらふーん、とか、ケータイいじってるのがいいか?
・我が強い?タイプ。上昇志向タイプ。私とは真逆だった。「価値観に合わせた理想の男」を演じることができなかった。野望がある人がいい→校長になるのが夢だわw。これは自分でも滑ったと思う。価値観を合わせるというのは自慢をすることでもなく、自己開示をすることでもない。態度で上昇志向タイプ、野望を持っている、強い男を示す必要があったのだ。言葉で理想の男を示してはいけない。彼女に、非言語的に訴えなければ意味がない。
・壁を貼られているように感じた。自分がそう感じていただけか?自分が距離を置いていただけなのかもしれない。所々自分の殻にこもったりしていたのだ。あー、どうしよう、と。これ厳しいなぁー、と。厳しいと感じるのは意味がない。頭の空白。どうすればいいか計算をしていれば意味がある。が、私はただ困っていただけであった。相手に興味を持つことを一瞬一瞬怠ったっていた。
・だから会話が詰まるのだ。常に、1秒たりとも相手への興味関心を緩めてはならない。緩めたいのであればルーティーンを頭に叩き込み会話として流し込め。
・代わりに会話の空白の気まずさから逃れるため、恋愛の話題とセクシャルな話題を使用した。意味がない。この二つの話題の目的は気まずさ回避が目的ではない。そんな状態でその話題を振るということは怯えた弱々しいおどおどしたAFCを晒すことになる。空白のままでいる方がマシだ。黙ってニコニコと相手の顔を見ていろクソが。
・タッチテストやヘアタッチテスト、甘え診断。覚えていることは全部した。だがAFCを悟られたために全て拒絶していた。中断させるかのように曲を入れてきた。フェイズ移行を拒絶されたら移行せずに前段階のフェイズに戻らねばならない。だが今回は1hしかない。オールじゃない。だから時間がない。じわりじわりと詰め寄れないのだ。歌ってる暇などなかった。歌ってはいけなかった。
・カラオケではシャウトした。ノリがわかる女子だったから笑っていた。だけれどもそれは引き笑いと同等。そんな女子にもシャウトはしちゃダメだ。カラオケのシャウトはセクシャルの雰囲気をゼロに、その雰囲気を一気に冷めさせ現実に引き戻す作用がある。
・知り合いだったから余計に拒絶されるのがこわかった。つい、嫌われないようにとか負け戦なのに次繋げたいとかいう気持ちが出てしまった。終わりに近づくにつれしたてしたての気持ちがより強くなっていった。最後はPUMとは程遠い、AFCの俺が出来上がっていた。
・褒めについて。序盤はネグを交えた褒めが使えた。え?誰?から初めて印象変わったね。可愛くなったと思う笑。は、出来た。そこからただ媚びるような褒めしかできなかった。失敗したという焦りが強すぎてしまった。
・最後のトランスギラ、唐突の出来事を受け入れていた。やっぱりギラつくべきだったんだ。今日私は「やらずに後悔するよりやって後悔した方がいい」という名言を再度気付かされた日だった。昨日も恐怖してたのだ。その恐怖に勝ったからあの子の素晴らしい吐息を聞くことができたんだ。最高の感情を得ることが出来たのだ。最高の感情を得るために冒険をしようや。死に近いことをしてみぃや。俺が変わるぞ。
・唐突のトラブルに弱い。一度挫くとズルズルとイモヅル式のようにドミノ倒しのように悪い方向へと進んでしまう。時間がかかるたびにどんどん悪い方向へ進んでしまう。
・唐突のトラブルに強くなるためにはまず経験を積まねばならない。積んで色んな失敗を重ねて糧にする。その糧で俺は強くならねばいけない。
・とっさの判断力も必要と言える。対面席の技を持っていないのならば対面席で戦う必要はない。成功させるためには自分のフィールドに巻き込むのが一番良い。一時間で切り上げても良いかもしれない。
・AFCと個室に入るという不快な思いをさせてしまった彼女に謝罪を。俺の営業人生における大失敗という経験をさせてくれた彼女に感謝を。もう会うことはないだろう。最後にごめんな。そして本当にありがとう。
Action。
・常に勝負服で行く。
・カラオケで自分の趣味を出してはいけない。
・対面席でのラポールの築くためのトークの仕方を調べる、考察する。
・意見を相手に委ねるようなタイプではなく、会話をうまくコントロールできず、質問トランス導入が出来ないような自我の強い饒舌相手を魅了し口説き落とすための術、ラポールの築き方を考察する。
・価値観を引き出し理想の男を演じる方法は態度で示すこと。色々なタイプがあるが、まずは上昇志向、野望持ち、男らしい男、頭脳明晰、優しい、マメ男子の「仕草、行動、態度、発言」を調査、考察する。元ある自分の性格にギャップとして挟みこむと効果的か。
・唐突のトラブルに対処する適応力。と経験の積み重ね。
・引く勇気、損切りする勇気、何も言わない勇気、振られる勇気、手放す勇気、やることをやって最後ギラつくとき拒絶を恐れない勇気。グダ後に負けない根気の強さ。決してグダに負けてはいけない!自分に負けてはいけない!
・落こみすぎないこと。失敗を糧に出来るが精神衛生上よろしくはない。
・負けてもいいじゃないかじゃだめだ。常に勝つ気でいる事。
・ギラ地蔵を自分の中で捕捉し、二重人格法を用いてしっかり確実に嬲り殺すこと。
私は成功者になれるのだろうか?
失敗は成功のもとと言う。
それを信じてみる。
失敗記事はモチベも上がらんし進みが悪い。だけれども、これからは失敗した時ほど鮮明に記事を書くように努めよう。書いている時も苦しいがその失敗に関する一連全てが私にとっての成功のもととなると信じている。