【契約の始まり】5連準即アポノック〜3日目〜
- 2015/04/23
- 02:08
5連準即アポノック〜3日目、4日目〜
某日、27:00
カラオケボックスで、曲を入れないと代わりに流れるダムpv。モデルのマギーが司会をしていて色々なアーティストがインタビューに答えてくもの。それが流れたままの部屋。誰も歌わない。
この美女の音声は今で何回目か。
「ほら我慢して。ちゃんと抵抗してよ?」
「はっ…うっ…あっ…」
ここはカラオケをする部屋。
だかしかしここに利用目的に反するものとして利用しているものたちがいた。
「このpv何往復目だろうね。」
彼女から言葉はなく深い吐息が続けざまに聞こえてくるだけ。
きっと雰囲気に飲まれ聞こえてなかったのだろう。
「嫌なら嫌って言えばいいんだよ、そしたらやめてあげるから」
「はっ…はっ…んっ…あっ」
「…したくなったら、声に出していいよ」
再度音がこだまする。
彼女の口から発せられる甘い吐息、液体を攪拌させる音、卑猥な言葉で誘おうとする汚らしい男の声。性器から発せられる生臭い体液と共に密室を漂う。
カラオケルームのビデオの音声ではもう隠すことのできないものとなっていた。
「はぁ…は、はぁ…は…」
カラオケルームのビニール質のシートはびしょ濡れだ。ジュースをこぼした訳ではない。人から発せられたもの。汗によるものか体内液によるものか、定かではなかった。
「ねぇどうしたいの?声を口も閉じずに発するてことは入れて欲しいということ?俺たちの関係はこれで終わってしまう、終わらせたくないって君は言ってたよね?それでも入れたいの?」
語りかける。
彼女は声を我慢できていない。
我慢をせずに応答した。
「入れ…て」
契約完了。
その15時間後。
漫画喫茶のフラットシート。
大人二人が足を伸ばして寝そべられる程の広さしかない。
上は筒抜けで、隣同士の壁は3㎝ほどしかない。
「ほら、声だしたら聞こえちゃうよ」
囁くような小さな声で声をかける。
「んっ…ぅ…ん…!」
「あっ…あっ…あっ、あ」
理性では抑えているのに体は音を抑えきれていない。部屋備え付けのヘッドホンをしていない限り嫌でも聞こえてしまうだろう。
「本当感度いいね。可愛いなぁ」
「だめ…ぇ…声出ちゃぁ…ぁあ…」
必死に口を押さえているのに声が聞こえる。
顔から声が漏れているように見えた。
もうすぐだ。
彼女はもう私の魔法少女と成る。
「我慢できない?」
「うん…」
「でも俺としたいの?」
「………う、ん…」
「したぁぅ…けど……」
「俺もしたい。でも場所がよくはないよね。だから我慢できるようにゆっくりとするよ。後で口でお願いしてもいいかな?」
「うん…」
契約完了。
Plan。
・ギラを恐れず飛び込め。
・ギラの障壁とならないようにラポールを時間をかけてでも作れ。
Do。
某日、某駅、16:00
連日続く鉛色の空の下、私は前日の反省の記録をブログに書き綴っていた。大敗。原因はわかっている、自分が原因だ。
敵は常に自分の中にある。
アポは契約ではない。アポとは道のりで契約とはゴールのことだ。契約を取るためにはアポをしっかりこなさねばならない。
契約の入り口であるギラは最終関門だ。ギラを経て関門を突破することで初めて女性を抱くことができる。
私はギラをしなかった。できなかった。
理由はいろいろだ。私の知る彼女とは現実は異なっていてそれに動揺してしまったこと、やってもないのに起こるかもしれない拒絶が怖くて仕方なかったこと、最後の最後にギラついたにもかかわらず逃げてしまったこと。ここにはかけないくらい自分がとにかく嫌になった。全て自分が原因だからだ
自分に負けてはならない。
無理矢理なんてのはもってのほかだ。それとは違う。
言葉巧みに騙すのももってのほかだ。それとも違うのだ。
相手との関係性をより深いものとするために心を開いていく。そうして二人の関係性を深めていく過程の中に私のギラが含まれる。契約は相手とのコミュニケーションの最高の形だ。そんなイメージをもって取り組もう。
だから具体的に言うならば相手が契約したいと思わせなくてはいけない。
そのために何をするかを考えるのだ。
準々に回してもいい。そうするならば確実に即が出来るように次に回せ。
歳 21歳
職 ニート
顔 175cmの田中麗奈
値 スト値3(顔面偏差値60)
概 1年前大阪の天神祭で声をかけた子、彼氏がいる、前回契約打診失敗、最近関東に越して来て暇をしている。
175「お久し〜」
私「おひたひ〜」
175「笑」
事前に遅れるとの連絡があり、延長した集合時間にぴったりに来た。
私「ようこそ関東へ!」
175「おっす!先生!」
私「なに先生て笑」
175「先生じゃん?笑」
私「イナゴは相変わらず高めのテンションな笑 俺は好きだけど笑」
175「ふふふー笑」
私「こっちの生活は慣れましたかい?」
175「そだねー、満喫してる笑」
私「ニート生活を、か笑」
175「あはは笑」
早速店へ向かう。
まだ日が出ていて明るい。こんな時間にまずチェーン店の居酒屋はやっていない。やってたとしても地元の居酒屋さんくらいだ。なので私は彼女が来る2時間前に一次会用のお店を探していた。
私「ここのザ・居酒屋なお店な」
175「ほー」
さて、気を引き締めていかねば。
ここではたわいのない会話をして話が盛り上った瞬間に退出だ。大体1時間半くらいで、相手に物足りなさを与えよ。
私はビール、彼女はサワー。
私「はいかんぱーい」
175「かんぱーーい!」
大阪で声をかけた時はバリバリの関西弁だった。だが今の彼女のイントネーションは標準語。少し緊張しているのか?よし、ならばラポールを築けた基準を方言の引き出しとしよう。
ところどころに私が関西弁のイントネーションを出しながら会話をしていこう。
現在職探し中。父親になになにはダメ、ここにしろ、働いたら家に5万払え、遊ぶな…等々色々言われていて気に滅入ってしまっている。
彼氏とは継続中。ただ、遠距離なのでもうそんなしょっちゅう会えないとのこと。
これは暗黙の了解か…?
まだわからない。成功経験が少ない私にはまだ確信を持ってゴールできるとは言えない。
居酒屋では恋愛感情を動かすような行動や言動は慎み、ラポールを深めることに尽力を尽くした。
私「そいやなに飲めんのだっけ?」
175「えーと、カクテル〜」
財布泣かせめ…
まぁいい、ここでは決めぬからな…
私「ワインとか飲めへんの?」
175「ワインは悪酔いしちゃうなぁ」
私「ぶどうってなんであんなに渋みあるんだろな笑 あれが悪酔いのものだと思う絶対に笑」
175「へー、なるほどー」
私「いや、知らんけど笑」
175「笑 うちの家系、みんなお酒弱いやんかぁ、?」
私「おんよ」
関西弁発動。
良し、第一ラポール築けたな。
第二ステージに移行しよう。
お酒の失敗談をお互いに語り合う。
175「そしたらなぁ、うちタクシーでゲボ吐いてん笑 あの時バリやばやった笑」
私「タクシーで吐いたんか笑 最悪やんけ笑 あ、二件目いこか」
175「あ、もう行く?」
私「ここはあんまりカクテルはないで。イナゴが飲めようなお酒が色々あるお店にいこーよ」
175「うん、わかったー」
私「あ、イナゴ、今日遅れたからここの分はおごってな?笑」
175「えっ!うそーん?笑 ゆるひてぇ〜笑」
私「なぁに、二次会は出すでー。多分3000くらいだと思うよ。大丈夫?2000円は出せるかい?」
175「大丈夫大丈夫。全部出す。うち、おごりられんのあんま好きじゃないんよ笑」
私「イナゴはほんまに気の使える子よのぉー」
175「普通でしょー笑」
私「それが普通って思えることがイナゴが偉い子だっていう証明だよ」
175「ほ、褒めすぎ笑」
18:00、LG個室居酒屋。
「こちらどーぞー」
私「あ、こっちのちっさい方の個室使ってもいいですか?」
「えっ、あ、はい」
175「えっ、こっちー?なんか狭いでここ」
私「俺さ、イナゴにはいうてなかったけれど、対面アレルギー症候群なのよ…」
175「なにそれ笑」
私「対面席で長時間いると緊張しすぎて急な心臓発作起こして死ぬんよ。だからここでいいのだけど…175は俺を殺す…?泣」
175「あはは笑 なんにそれ笑 まぁ大丈夫やけど…あ、だからさっきカウンターだったんだね」
私「そそっ、緊張して急に死ぬからね」
175「ほいさ笑」
席につくと175はLG座席であえて私と対面するように座った
私「やめっ!死ぬ死ぬ!わあああ止まる止まるううう!」
175「あはははは笑」
お互いカクテルを頼みながら二次会を始めた。第一ラポールを築けた私は、今度はここで恋愛感情を揺さぶるようなトークをする必要がある。
前回はラポールが形成できないまま相手の壁を作り上げてしまった。虚をついてキスはできたが即には結びつかなかった。慎重に、私の口から発する言葉で相手の契約接続部分を徐々に徐々に濡らしていくようなイメージだ。
そのための引き出しはたくさん持っている。私の頭を空白にするのではなく、トランスを使った会話のふみこみで相手の頭を空白にしろ。
彼氏は数えていない。彼氏ではない男と寝たこともある。自分でもいっていたが寂しがりやタイプのメンヘラだ。
こんな自分がもう嫌で彼氏じゃない人とやらないって決めているらしい。が、性欲が強いため浮気をしてしまうのだという。今までいろんな経験をした175。彼氏は契約が下手くそらしい。何々がやだなど色々と聞く。
私は確信した。
175はやれると。
だが手を抜くな、慎重に、石橋を叩いて渡る渡るように、会話で相手の心のドアを叩いてから渡る。全てシモトーク、恋愛トークではない。たまに彼女の仕草、所有しているもの、店員さんや料理、飲み物について話題を変えたりしながら、君はどう思う?とまた話を変化させながら進行していく。
10代の頃は思春期で家でしたりいろんな男と寝てたりしたらしい。
175「エッチするとね、その人のことはもう友達として見れなくなっちゃう。ヤリモクなんだな、とか思ってしまう。だからね、自然と関係が消滅しちゃうんだ。」
私「うん」
175「私はエッチが好きだからそれでもいいんやけど…なんだか、よくわかんないや…」
私「悲しいんだろうね、その人とエッチしてしまうことが。」
175「うん」
私「イナゴは男と寝るハードルが高いんだよ。高いハードルを急に登ったりするからその変化に耐えきれなくて悲しい気持ちになってしまうんじゃないかな。イナゴは優しいから繊細で傷つきやすい心を持つ女の子だから、その悲しい気持ちをつい心の中に溜め込んでしまう。そうじゃない?」
175「うん…」
私「俺はイナゴとエッチしたいと思っているよ。だけれどもイナゴのそういった溜め込んだ感情もなんとかしたいなと思っている。」
私「イナゴは、俺とエッチしたら他の男の人たちと同じに、もう会うことのない関係になってしまうの?」
175「わかん…ない…」
私「イナゴってだんまりするとき梅干しみたいな顔するよな。シワシワですっぺーっみたいな。いまスッゲーブサイク」
175「ちょ、なにそれー笑」
慌てて笑うイナゴ。
さぁまた切り返してゆさぶれ。
私「てかさ、最近彼氏にあってへんのやろ?甘え方、忘れてんちゃう?」
175「えー?んー、そだなぁ」
私「イナゴって普段どんな甘え方するの?」
175「え?私?」
私「お前以外だれがいんの笑」
175「笑 えー、そだなぁ…恥ずかしがり屋だしなぁ、基本受けみだし」
私「それでも甘えたいなーってときあるんじゃない?」
175「んまぁー、確かにあるけれど…」
私「それ知りたい笑」
175「えー笑どうやんのかなぁー」
私「じゃさ、具体的な例でいってみっか。まず手を握ります。」
ここで私は手を近づける。
これは第三ステージに移行するためのテストだ。
彼氏にしかやらんって反応や逃げるような反応はまだ食いつきが足りない。和みに戻る必要がある。
私「こう、彼氏がさ、貝殻繋ぎしようとしてくるじゃん?」
175「う、うん」
私「だいたいここまできたら…イナゴどーするん?彼が握ってくるまで待ってるん?」
手と手はふれあい指と指は隙間に入り込む距離間。だが握り合ってはいない。
逃げない175。
175「…」
無言でその手を握り返してくきた。
私はなに食わぬ顔の笑顔を見せた。
私「あー、なるほど。ここまで行ったら自分から行くんね。流石受身ちゃんやけどいくとこまでいったらガーッて行っちゃうパターンなんやな笑」
175「まぁーねっ笑」
会話を続けつつ、彼女の握力を感じる。
1秒
2秒
…
3秒。
ここで私が先に手を離す。
彼女は残念がるような我に帰ったかのようなそんな顔をしていた。
悪くない。ハンドテストは握られたのを確認してから相手が握るのをやめる前に解放。こうすることで相手が名残惜しいかのようか形にすることができる。新たなテクニックを見出したような気がした。
ここで受身についての話をする。
SMテスト。
彼女は実はエスっけがある診断。過去のエスっけの部分を洗いざらいにしていく。自分から相手を求めるようなことはなかったか?ちょっと反発したことはなかったか?何々したいはっきり言うタイプだからそういうとこが実はエスっけがあったりするんだぜ。
私「甘え診断その2。」
175「えー、またー?笑」
私「確認だから。実際に抱きつくわけじゃないんだからなんの問題だろーよ笑」
175「そなの…?」
私「イナゴはさ、基本受身だから手のときみたいに基本的には彼氏に抱きつかれてからってかんじやない?」
175「そやねぇ」
私はイナゴに体を寄せた。少し後ろのめりになるイナゴ。だが私は何を変なことを意識しているんだお前はというような当然のような顔をしながら抱きつくふりをする。
腕を輪っかにしその中に彼女の頭を入れた。
私「こーんなかんじか?」
175「うん」
彼女は私落ち着いているような顔を見せる。防御姿勢が取れたのか。いましたらグダられる、そんな気がした。慎重に行くんだ。女の子が防御姿勢を取っているときや、落ち着いているときにキスをしてはいけない。防御はさせない。そう感じた。
ギラツキふりをする。
私「こーんな感じで顔を近づけるわけね」
腕を解き体を元に戻す。
少し彼女と距離を取る。
さぁ彼女は何を感じ取ったか?
私「壁ドンはきゅんとしないの?」
175「きーへんな」
私「されたことないの?」
175「似たよーなのはあるかな」
私「似たようって?」
175「キスされて壁に押される的な笑」
私「どゆこっちゃ、めっちゃシュールな絵だな笑」
175「まじまじ笑」
私「えーと…どんなの?どーゆー気持ちになった?」
175「そーねー…笑」
ふと私は175の口を手で塞ぐ。
またもや唐突な出来事に防御をとれない175。
私は手で唇と唇の壁を作ってキスをするフリをした。
キスの姿勢のまま顔で壁に押しつける。顔で顔を押し付けるだなんて本当に面白い壁ドンの仕方だ。
175固まっていた。目はしっかり開いている。私は何事もなかったかのように会話を続けた。
私「ゴミついとるで」
175「えっ、え?」
キスギラを仕掛けた。
175「イヤっ」
グダ。
くどいな。私のギラ前の布石がくどすぎる気がする。次で決めなければ。すぐさま解放した。顔色は変えてはいけない。グダられたことに動揺するな。私はあくまでテストをしているんだ。そういうスタンスをつらぬきとおせ。
私「175、エスっけあるから抱きつくこともあるやろ?」
今度は175をこちらに誘導させる。渋々やってくるイナゴ
私「こう、普通にもたれかかる感じか?」
175の肩を少し押した。するとイナゴはこちらに軽く抱きついてくる。
3秒後、私はそれを引き剥がす。
彼女の顔が曇る。
おそらく困惑の顔だろうか。
LGから隣へ移動した。
175「君はさ、」
顔はまだどんよりしていた。が、イナゴの目には力が入った。
何かが来る…
私「なに?」
175「うちのことどう思っているの?」
私「どう思うってどゆこと?」
175「えー、うんー、どうなんだろ…」
175「…」
私「口にしたくないんやろ笑 好きか嫌いかってことだったら、嫌いなわけないよね。」
175「うん…」
私「てか普通にすきだよ笑」
175「そう、なのか…」
私「…」
私「イナゴ、今壁張ったろ?」
175「えっ…。」
私「…」
ただ見つめる。
175「う、うん…ごめん…」
私「なんで謝るん。悪いことじゃないよ。イヤなことはイヤって、嫌いな人には嫌いってちゃんと拒否しなきゃだめ。」
175「いやじゃ…ないけど…」
私「ないけど、なんなの?」
175「…」
175「うち、そういう好意見ちゃうと重いなって思ってしまうねん。悪いことじゃないだけど、うちはこんなやから…相手に悪いような気がしてしまって…」
私「追われると逃げてしまうよね。しょうがないよ。怖い思いもあるんだから、逃げてしまうのは正当な反応じゃないかな?」
175「うん…」
私「でももしかしたら、イナゴの中の俺は本当は違うかもしれないなぁ。イナゴはさ、俺のどういうところが好意があるって思ったの?」
175「ボディタッチとか…」
私「あー。普通だれでもすると思うのだが…そうか…ごめんよ。俺にとってはただの親友としてのスキンシップで無意識のうちにしているのもある。…そか、ごめん…イナゴにとってそれは重たいことだったんだな…」
175「…君は、カッコつけてるんだなって思った」
私「か、、カッコつけてる…?なんでしょうそれは…笑」
175の唐突な言葉に私は苦笑いを浮かべる。
動揺した。
急な175の発言にただただ聞くことしかできない。
175「君はさ、頭がいいし、例えば…さっきの魚の説明とか、お酒のしゅわしゅわの出来方の説明とか…話してて楽しいし、そういうとこ好きだけど、ボディタッチとか…なんかそういうのが…すましてんなぁっとかカッコつけてるなぁって思ったの」
私「まじかぁ…、悪気はないんだ。ごめんな、ありがとう。俺、175のそうやってちゃんと伝えてくれるところ素敵だと思う。」
175「そ、そうやって褒めるとこも…!」
私「えっ、正直な感想言っただけなのに!だ、ダメなん…?」
175「だめじゃ…ないけど…わかんない…」
私「175わけわかんなくなりすぎ笑」
175「君のせいだ…!」
私「ふふっ、でもこれが俺の普通だから。まだ2回しか会っていないけれど付き合いは長いじゃない?ああだこうだで。もう俺のキャラはわかんべ笑」
175「そーだけど、さぁ…」
私は見透かされていた。
経験を積んでいないのにハッタリでカッコつけていたことを。だがばれていたとしても気を抜いてはいけない。嘘も貫き通せば真実になる。言及に負けてしまうから嘘になるんだ。
私「イナゴはさ、今後俺と関係を続けていきたいと思ってるの?」
175「んー、そうだね…続けたいよ?」
即答ではない。
私はまだ、彼女にとっての例外にはなれていないか。
私「そう思うよね。仮に今夜エッチしたとしようか?それが一夜にして崩れさる訳?
175「ん…」
私「やっぱり性と友情や信頼が結びつかないのはおかしいよ。」
175「ないわけじゃない…少ないけれど、エッチした後に好きになった人もいた…よ?」
その人のことについて語る175
彼女が求めるのは彼の独占でもなんでもない。自分の居場所のようだった。
だから一度契約しただけで切るのはもったいない。もしかしたらいい意味で見直せるかもしれない。自分の理想の居場所が見つかるかもしれない。そう力説していた。
私「俺はイナゴとは真逆だ。友達ともエッチするし、エッチした後も普通に友達として関係を続けられる。エッチした友達、してない友達の区別はイナゴみたいにない。コミュニケーションの延長としてやっているに過ぎない」
私「エッチは悪いことじゃないよね?別に友達とやっちゃいけないこともないよね?イナゴも同じ意見だと思うけれど、俺はエッチすることでより関係の深い仲になれてかけがいのない存在同士になれるものだと思っているよ。」
175は黙って私の話を聞いている。
グダはまだ見られない。私は無我夢中に必死に説得をしていた。
彼女の意見を尊重し、それにそうような私の意見を彼女に当てていく。
まくしたてる、という表現がしっくりくるか。
私「だから俺は無理やりはしたくない。いやいやするのは犯罪だし、エッチすることでお互いの仲が悪くなるんならやらないほうがいい。一歩深い関係になるのが無理ならそのままの関係でいるのが一番いい。それが一番だとは思わない?」
175「ねぇ」
彼女がふと私に聞く。
私「なに?」
動揺するな。堂々と振舞え…
175「エッチしたくない人?」
私「何言ってんの笑 バリバリしたいに決まってんじゃん笑 だけど人とのふれあいでしょ?だから無理やりするくらいなら…」
175「…」
175が私に急接近する。
一瞬、何が起きたかわからなかった。
心臓が止まり、次に動きだした時にはなんだか生まれ変わったかのような気持ちになった。
私は175にキスをされた。
175「無理やりしたよ。嫌いになった?」
私「され慣れては…ねーからなぁ…」
175「えへへへ笑」
私「おい、なぁ…」
彼女は私の言葉を遮る。
175「君はそういうとこがかっこつけすぎなの。」
私「…」
私「わーたよ…」
二度目のキスを交わす。
今度は先ほどよりも長く、深く交わった。
175「えへへ〜」
彼女は私に腕を絡みつけていた。
私「何その笑い方、可愛すぎてなんかむかつく笑」
175「んへへ〜 いーじゃーん笑」
私「イナゴ意味わからん…」
終電はもうないを
LG個室居酒屋を後にし、二人で手をつなぎながらカラオケへ。
私は営業を開始して初の契約を交わした。
未来予定説。
人生や出来事はもう既に神によって予め決められていた事象であり、人はそれをなぞりながら人生を出来事をなぞって生きていく。まるで夢のような。一度読んだことのあるお気に入りの小説をまた読み直したかのような。そんな感覚であった。
彼女と求めあうたびに、私の渇いた心を満たしていく。
ああ、これが
「営業」
「契約」
か。
性欲だけではない。それ以上に必要なものがここにあり、満たせていた。
これが
「エロトロピー」
か。
次の日へ続く。
※最初の画像が捉え方によっては私が如何にも悪徳営業のようにお見えするかもしれませんが、当営業は一切の強要をしておりません。(むしろナヨナヨ系で女々しくて、早くしろよとそっちのイライラを募らせてしまう系の男子かと思います…)契約をしてくださったお客様方には感謝の言葉をいくら並べても感謝しきれないくらいの気持ちで一杯でございますです。考察は後ほど。
某日、27:00
カラオケボックスで、曲を入れないと代わりに流れるダムpv。モデルのマギーが司会をしていて色々なアーティストがインタビューに答えてくもの。それが流れたままの部屋。誰も歌わない。
この美女の音声は今で何回目か。
「ほら我慢して。ちゃんと抵抗してよ?」
「はっ…うっ…あっ…」
ここはカラオケをする部屋。
だかしかしここに利用目的に反するものとして利用しているものたちがいた。
「このpv何往復目だろうね。」
彼女から言葉はなく深い吐息が続けざまに聞こえてくるだけ。
きっと雰囲気に飲まれ聞こえてなかったのだろう。
「嫌なら嫌って言えばいいんだよ、そしたらやめてあげるから」
「はっ…はっ…んっ…あっ」
「…したくなったら、声に出していいよ」
再度音がこだまする。
彼女の口から発せられる甘い吐息、液体を攪拌させる音、卑猥な言葉で誘おうとする汚らしい男の声。性器から発せられる生臭い体液と共に密室を漂う。
カラオケルームのビデオの音声ではもう隠すことのできないものとなっていた。
「はぁ…は、はぁ…は…」
カラオケルームのビニール質のシートはびしょ濡れだ。ジュースをこぼした訳ではない。人から発せられたもの。汗によるものか体内液によるものか、定かではなかった。
「ねぇどうしたいの?声を口も閉じずに発するてことは入れて欲しいということ?俺たちの関係はこれで終わってしまう、終わらせたくないって君は言ってたよね?それでも入れたいの?」
語りかける。
彼女は声を我慢できていない。
我慢をせずに応答した。
「入れ…て」
契約完了。
その15時間後。
漫画喫茶のフラットシート。
大人二人が足を伸ばして寝そべられる程の広さしかない。
上は筒抜けで、隣同士の壁は3㎝ほどしかない。
「ほら、声だしたら聞こえちゃうよ」
囁くような小さな声で声をかける。
「んっ…ぅ…ん…!」
「あっ…あっ…あっ、あ」
理性では抑えているのに体は音を抑えきれていない。部屋備え付けのヘッドホンをしていない限り嫌でも聞こえてしまうだろう。
「本当感度いいね。可愛いなぁ」
「だめ…ぇ…声出ちゃぁ…ぁあ…」
必死に口を押さえているのに声が聞こえる。
顔から声が漏れているように見えた。
もうすぐだ。
彼女はもう私の魔法少女と成る。
「我慢できない?」
「うん…」
「でも俺としたいの?」
「………う、ん…」
「したぁぅ…けど……」
「俺もしたい。でも場所がよくはないよね。だから我慢できるようにゆっくりとするよ。後で口でお願いしてもいいかな?」
「うん…」
契約完了。
Plan。
・ギラを恐れず飛び込め。
・ギラの障壁とならないようにラポールを時間をかけてでも作れ。
Do。
某日、某駅、16:00
連日続く鉛色の空の下、私は前日の反省の記録をブログに書き綴っていた。大敗。原因はわかっている、自分が原因だ。
敵は常に自分の中にある。
アポは契約ではない。アポとは道のりで契約とはゴールのことだ。契約を取るためにはアポをしっかりこなさねばならない。
契約の入り口であるギラは最終関門だ。ギラを経て関門を突破することで初めて女性を抱くことができる。
私はギラをしなかった。できなかった。
理由はいろいろだ。私の知る彼女とは現実は異なっていてそれに動揺してしまったこと、やってもないのに起こるかもしれない拒絶が怖くて仕方なかったこと、最後の最後にギラついたにもかかわらず逃げてしまったこと。ここにはかけないくらい自分がとにかく嫌になった。全て自分が原因だからだ
自分に負けてはならない。
無理矢理なんてのはもってのほかだ。それとは違う。
言葉巧みに騙すのももってのほかだ。それとも違うのだ。
相手との関係性をより深いものとするために心を開いていく。そうして二人の関係性を深めていく過程の中に私のギラが含まれる。契約は相手とのコミュニケーションの最高の形だ。そんなイメージをもって取り組もう。
だから具体的に言うならば相手が契約したいと思わせなくてはいけない。
そのために何をするかを考えるのだ。
準々に回してもいい。そうするならば確実に即が出来るように次に回せ。
歳 21歳
職 ニート
顔 175cmの田中麗奈
値 スト値3(顔面偏差値60)
概 1年前大阪の天神祭で声をかけた子、彼氏がいる、前回契約打診失敗、最近関東に越して来て暇をしている。
175「お久し〜」
私「おひたひ〜」
175「笑」
事前に遅れるとの連絡があり、延長した集合時間にぴったりに来た。
私「ようこそ関東へ!」
175「おっす!先生!」
私「なに先生て笑」
175「先生じゃん?笑」
私「イナゴは相変わらず高めのテンションな笑 俺は好きだけど笑」
175「ふふふー笑」
私「こっちの生活は慣れましたかい?」
175「そだねー、満喫してる笑」
私「ニート生活を、か笑」
175「あはは笑」
早速店へ向かう。
まだ日が出ていて明るい。こんな時間にまずチェーン店の居酒屋はやっていない。やってたとしても地元の居酒屋さんくらいだ。なので私は彼女が来る2時間前に一次会用のお店を探していた。
私「ここのザ・居酒屋なお店な」
175「ほー」
さて、気を引き締めていかねば。
ここではたわいのない会話をして話が盛り上った瞬間に退出だ。大体1時間半くらいで、相手に物足りなさを与えよ。
私はビール、彼女はサワー。
私「はいかんぱーい」
175「かんぱーーい!」
大阪で声をかけた時はバリバリの関西弁だった。だが今の彼女のイントネーションは標準語。少し緊張しているのか?よし、ならばラポールを築けた基準を方言の引き出しとしよう。
ところどころに私が関西弁のイントネーションを出しながら会話をしていこう。
現在職探し中。父親になになにはダメ、ここにしろ、働いたら家に5万払え、遊ぶな…等々色々言われていて気に滅入ってしまっている。
彼氏とは継続中。ただ、遠距離なのでもうそんなしょっちゅう会えないとのこと。
これは暗黙の了解か…?
まだわからない。成功経験が少ない私にはまだ確信を持ってゴールできるとは言えない。
居酒屋では恋愛感情を動かすような行動や言動は慎み、ラポールを深めることに尽力を尽くした。
私「そいやなに飲めんのだっけ?」
175「えーと、カクテル〜」
財布泣かせめ…
まぁいい、ここでは決めぬからな…
私「ワインとか飲めへんの?」
175「ワインは悪酔いしちゃうなぁ」
私「ぶどうってなんであんなに渋みあるんだろな笑 あれが悪酔いのものだと思う絶対に笑」
175「へー、なるほどー」
私「いや、知らんけど笑」
175「笑 うちの家系、みんなお酒弱いやんかぁ、?」
私「おんよ」
関西弁発動。
良し、第一ラポール築けたな。
第二ステージに移行しよう。
お酒の失敗談をお互いに語り合う。
175「そしたらなぁ、うちタクシーでゲボ吐いてん笑 あの時バリやばやった笑」
私「タクシーで吐いたんか笑 最悪やんけ笑 あ、二件目いこか」
175「あ、もう行く?」
私「ここはあんまりカクテルはないで。イナゴが飲めようなお酒が色々あるお店にいこーよ」
175「うん、わかったー」
私「あ、イナゴ、今日遅れたからここの分はおごってな?笑」
175「えっ!うそーん?笑 ゆるひてぇ〜笑」
私「なぁに、二次会は出すでー。多分3000くらいだと思うよ。大丈夫?2000円は出せるかい?」
175「大丈夫大丈夫。全部出す。うち、おごりられんのあんま好きじゃないんよ笑」
私「イナゴはほんまに気の使える子よのぉー」
175「普通でしょー笑」
私「それが普通って思えることがイナゴが偉い子だっていう証明だよ」
175「ほ、褒めすぎ笑」
18:00、LG個室居酒屋。
「こちらどーぞー」
私「あ、こっちのちっさい方の個室使ってもいいですか?」
「えっ、あ、はい」
175「えっ、こっちー?なんか狭いでここ」
私「俺さ、イナゴにはいうてなかったけれど、対面アレルギー症候群なのよ…」
175「なにそれ笑」
私「対面席で長時間いると緊張しすぎて急な心臓発作起こして死ぬんよ。だからここでいいのだけど…175は俺を殺す…?泣」
175「あはは笑 なんにそれ笑 まぁ大丈夫やけど…あ、だからさっきカウンターだったんだね」
私「そそっ、緊張して急に死ぬからね」
175「ほいさ笑」
席につくと175はLG座席であえて私と対面するように座った
私「やめっ!死ぬ死ぬ!わあああ止まる止まるううう!」
175「あはははは笑」
お互いカクテルを頼みながら二次会を始めた。第一ラポールを築けた私は、今度はここで恋愛感情を揺さぶるようなトークをする必要がある。
前回はラポールが形成できないまま相手の壁を作り上げてしまった。虚をついてキスはできたが即には結びつかなかった。慎重に、私の口から発する言葉で相手の契約接続部分を徐々に徐々に濡らしていくようなイメージだ。
そのための引き出しはたくさん持っている。私の頭を空白にするのではなく、トランスを使った会話のふみこみで相手の頭を空白にしろ。
彼氏は数えていない。彼氏ではない男と寝たこともある。自分でもいっていたが寂しがりやタイプのメンヘラだ。
こんな自分がもう嫌で彼氏じゃない人とやらないって決めているらしい。が、性欲が強いため浮気をしてしまうのだという。今までいろんな経験をした175。彼氏は契約が下手くそらしい。何々がやだなど色々と聞く。
私は確信した。
175はやれると。
だが手を抜くな、慎重に、石橋を叩いて渡る渡るように、会話で相手の心のドアを叩いてから渡る。全てシモトーク、恋愛トークではない。たまに彼女の仕草、所有しているもの、店員さんや料理、飲み物について話題を変えたりしながら、君はどう思う?とまた話を変化させながら進行していく。
10代の頃は思春期で家でしたりいろんな男と寝てたりしたらしい。
175「エッチするとね、その人のことはもう友達として見れなくなっちゃう。ヤリモクなんだな、とか思ってしまう。だからね、自然と関係が消滅しちゃうんだ。」
私「うん」
175「私はエッチが好きだからそれでもいいんやけど…なんだか、よくわかんないや…」
私「悲しいんだろうね、その人とエッチしてしまうことが。」
175「うん」
私「イナゴは男と寝るハードルが高いんだよ。高いハードルを急に登ったりするからその変化に耐えきれなくて悲しい気持ちになってしまうんじゃないかな。イナゴは優しいから繊細で傷つきやすい心を持つ女の子だから、その悲しい気持ちをつい心の中に溜め込んでしまう。そうじゃない?」
175「うん…」
私「俺はイナゴとエッチしたいと思っているよ。だけれどもイナゴのそういった溜め込んだ感情もなんとかしたいなと思っている。」
私「イナゴは、俺とエッチしたら他の男の人たちと同じに、もう会うことのない関係になってしまうの?」
175「わかん…ない…」
私「イナゴってだんまりするとき梅干しみたいな顔するよな。シワシワですっぺーっみたいな。いまスッゲーブサイク」
175「ちょ、なにそれー笑」
慌てて笑うイナゴ。
さぁまた切り返してゆさぶれ。
私「てかさ、最近彼氏にあってへんのやろ?甘え方、忘れてんちゃう?」
175「えー?んー、そだなぁ」
私「イナゴって普段どんな甘え方するの?」
175「え?私?」
私「お前以外だれがいんの笑」
175「笑 えー、そだなぁ…恥ずかしがり屋だしなぁ、基本受けみだし」
私「それでも甘えたいなーってときあるんじゃない?」
175「んまぁー、確かにあるけれど…」
私「それ知りたい笑」
175「えー笑どうやんのかなぁー」
私「じゃさ、具体的な例でいってみっか。まず手を握ります。」
ここで私は手を近づける。
これは第三ステージに移行するためのテストだ。
彼氏にしかやらんって反応や逃げるような反応はまだ食いつきが足りない。和みに戻る必要がある。
私「こう、彼氏がさ、貝殻繋ぎしようとしてくるじゃん?」
175「う、うん」
私「だいたいここまできたら…イナゴどーするん?彼が握ってくるまで待ってるん?」
手と手はふれあい指と指は隙間に入り込む距離間。だが握り合ってはいない。
逃げない175。
175「…」
無言でその手を握り返してくきた。
私はなに食わぬ顔の笑顔を見せた。
私「あー、なるほど。ここまで行ったら自分から行くんね。流石受身ちゃんやけどいくとこまでいったらガーッて行っちゃうパターンなんやな笑」
175「まぁーねっ笑」
会話を続けつつ、彼女の握力を感じる。
1秒
2秒
…
3秒。
ここで私が先に手を離す。
彼女は残念がるような我に帰ったかのようなそんな顔をしていた。
悪くない。ハンドテストは握られたのを確認してから相手が握るのをやめる前に解放。こうすることで相手が名残惜しいかのようか形にすることができる。新たなテクニックを見出したような気がした。
ここで受身についての話をする。
SMテスト。
彼女は実はエスっけがある診断。過去のエスっけの部分を洗いざらいにしていく。自分から相手を求めるようなことはなかったか?ちょっと反発したことはなかったか?何々したいはっきり言うタイプだからそういうとこが実はエスっけがあったりするんだぜ。
私「甘え診断その2。」
175「えー、またー?笑」
私「確認だから。実際に抱きつくわけじゃないんだからなんの問題だろーよ笑」
175「そなの…?」
私「イナゴはさ、基本受身だから手のときみたいに基本的には彼氏に抱きつかれてからってかんじやない?」
175「そやねぇ」
私はイナゴに体を寄せた。少し後ろのめりになるイナゴ。だが私は何を変なことを意識しているんだお前はというような当然のような顔をしながら抱きつくふりをする。
腕を輪っかにしその中に彼女の頭を入れた。
私「こーんなかんじか?」
175「うん」
彼女は私落ち着いているような顔を見せる。防御姿勢が取れたのか。いましたらグダられる、そんな気がした。慎重に行くんだ。女の子が防御姿勢を取っているときや、落ち着いているときにキスをしてはいけない。防御はさせない。そう感じた。
ギラツキふりをする。
私「こーんな感じで顔を近づけるわけね」
腕を解き体を元に戻す。
少し彼女と距離を取る。
さぁ彼女は何を感じ取ったか?
私「壁ドンはきゅんとしないの?」
175「きーへんな」
私「されたことないの?」
175「似たよーなのはあるかな」
私「似たようって?」
175「キスされて壁に押される的な笑」
私「どゆこっちゃ、めっちゃシュールな絵だな笑」
175「まじまじ笑」
私「えーと…どんなの?どーゆー気持ちになった?」
175「そーねー…笑」
ふと私は175の口を手で塞ぐ。
またもや唐突な出来事に防御をとれない175。
私は手で唇と唇の壁を作ってキスをするフリをした。
キスの姿勢のまま顔で壁に押しつける。顔で顔を押し付けるだなんて本当に面白い壁ドンの仕方だ。
175固まっていた。目はしっかり開いている。私は何事もなかったかのように会話を続けた。
私「ゴミついとるで」
175「えっ、え?」
キスギラを仕掛けた。
175「イヤっ」
グダ。
くどいな。私のギラ前の布石がくどすぎる気がする。次で決めなければ。すぐさま解放した。顔色は変えてはいけない。グダられたことに動揺するな。私はあくまでテストをしているんだ。そういうスタンスをつらぬきとおせ。
私「175、エスっけあるから抱きつくこともあるやろ?」
今度は175をこちらに誘導させる。渋々やってくるイナゴ
私「こう、普通にもたれかかる感じか?」
175の肩を少し押した。するとイナゴはこちらに軽く抱きついてくる。
3秒後、私はそれを引き剥がす。
彼女の顔が曇る。
おそらく困惑の顔だろうか。
LGから隣へ移動した。
175「君はさ、」
顔はまだどんよりしていた。が、イナゴの目には力が入った。
何かが来る…
私「なに?」
175「うちのことどう思っているの?」
私「どう思うってどゆこと?」
175「えー、うんー、どうなんだろ…」
175「…」
私「口にしたくないんやろ笑 好きか嫌いかってことだったら、嫌いなわけないよね。」
175「うん…」
私「てか普通にすきだよ笑」
175「そう、なのか…」
私「…」
私「イナゴ、今壁張ったろ?」
175「えっ…。」
私「…」
ただ見つめる。
175「う、うん…ごめん…」
私「なんで謝るん。悪いことじゃないよ。イヤなことはイヤって、嫌いな人には嫌いってちゃんと拒否しなきゃだめ。」
175「いやじゃ…ないけど…」
私「ないけど、なんなの?」
175「…」
175「うち、そういう好意見ちゃうと重いなって思ってしまうねん。悪いことじゃないだけど、うちはこんなやから…相手に悪いような気がしてしまって…」
私「追われると逃げてしまうよね。しょうがないよ。怖い思いもあるんだから、逃げてしまうのは正当な反応じゃないかな?」
175「うん…」
私「でももしかしたら、イナゴの中の俺は本当は違うかもしれないなぁ。イナゴはさ、俺のどういうところが好意があるって思ったの?」
175「ボディタッチとか…」
私「あー。普通だれでもすると思うのだが…そうか…ごめんよ。俺にとってはただの親友としてのスキンシップで無意識のうちにしているのもある。…そか、ごめん…イナゴにとってそれは重たいことだったんだな…」
175「…君は、カッコつけてるんだなって思った」
私「か、、カッコつけてる…?なんでしょうそれは…笑」
175の唐突な言葉に私は苦笑いを浮かべる。
動揺した。
急な175の発言にただただ聞くことしかできない。
175「君はさ、頭がいいし、例えば…さっきの魚の説明とか、お酒のしゅわしゅわの出来方の説明とか…話してて楽しいし、そういうとこ好きだけど、ボディタッチとか…なんかそういうのが…すましてんなぁっとかカッコつけてるなぁって思ったの」
私「まじかぁ…、悪気はないんだ。ごめんな、ありがとう。俺、175のそうやってちゃんと伝えてくれるところ素敵だと思う。」
175「そ、そうやって褒めるとこも…!」
私「えっ、正直な感想言っただけなのに!だ、ダメなん…?」
175「だめじゃ…ないけど…わかんない…」
私「175わけわかんなくなりすぎ笑」
175「君のせいだ…!」
私「ふふっ、でもこれが俺の普通だから。まだ2回しか会っていないけれど付き合いは長いじゃない?ああだこうだで。もう俺のキャラはわかんべ笑」
175「そーだけど、さぁ…」
私は見透かされていた。
経験を積んでいないのにハッタリでカッコつけていたことを。だがばれていたとしても気を抜いてはいけない。嘘も貫き通せば真実になる。言及に負けてしまうから嘘になるんだ。
私「イナゴはさ、今後俺と関係を続けていきたいと思ってるの?」
175「んー、そうだね…続けたいよ?」
即答ではない。
私はまだ、彼女にとっての例外にはなれていないか。
私「そう思うよね。仮に今夜エッチしたとしようか?それが一夜にして崩れさる訳?
175「ん…」
私「やっぱり性と友情や信頼が結びつかないのはおかしいよ。」
175「ないわけじゃない…少ないけれど、エッチした後に好きになった人もいた…よ?」
その人のことについて語る175
彼女が求めるのは彼の独占でもなんでもない。自分の居場所のようだった。
だから一度契約しただけで切るのはもったいない。もしかしたらいい意味で見直せるかもしれない。自分の理想の居場所が見つかるかもしれない。そう力説していた。
私「俺はイナゴとは真逆だ。友達ともエッチするし、エッチした後も普通に友達として関係を続けられる。エッチした友達、してない友達の区別はイナゴみたいにない。コミュニケーションの延長としてやっているに過ぎない」
私「エッチは悪いことじゃないよね?別に友達とやっちゃいけないこともないよね?イナゴも同じ意見だと思うけれど、俺はエッチすることでより関係の深い仲になれてかけがいのない存在同士になれるものだと思っているよ。」
175は黙って私の話を聞いている。
グダはまだ見られない。私は無我夢中に必死に説得をしていた。
彼女の意見を尊重し、それにそうような私の意見を彼女に当てていく。
まくしたてる、という表現がしっくりくるか。
私「だから俺は無理やりはしたくない。いやいやするのは犯罪だし、エッチすることでお互いの仲が悪くなるんならやらないほうがいい。一歩深い関係になるのが無理ならそのままの関係でいるのが一番いい。それが一番だとは思わない?」
175「ねぇ」
彼女がふと私に聞く。
私「なに?」
動揺するな。堂々と振舞え…
175「エッチしたくない人?」
私「何言ってんの笑 バリバリしたいに決まってんじゃん笑 だけど人とのふれあいでしょ?だから無理やりするくらいなら…」
175「…」
175が私に急接近する。
一瞬、何が起きたかわからなかった。
心臓が止まり、次に動きだした時にはなんだか生まれ変わったかのような気持ちになった。
私は175にキスをされた。
175「無理やりしたよ。嫌いになった?」
私「され慣れては…ねーからなぁ…」
175「えへへへ笑」
私「おい、なぁ…」
彼女は私の言葉を遮る。
175「君はそういうとこがかっこつけすぎなの。」
私「…」
私「わーたよ…」
二度目のキスを交わす。
今度は先ほどよりも長く、深く交わった。
175「えへへ〜」
彼女は私に腕を絡みつけていた。
私「何その笑い方、可愛すぎてなんかむかつく笑」
175「んへへ〜 いーじゃーん笑」
私「イナゴ意味わからん…」
終電はもうないを
LG個室居酒屋を後にし、二人で手をつなぎながらカラオケへ。
私は営業を開始して初の契約を交わした。
未来予定説。
人生や出来事はもう既に神によって予め決められていた事象であり、人はそれをなぞりながら人生を出来事をなぞって生きていく。まるで夢のような。一度読んだことのあるお気に入りの小説をまた読み直したかのような。そんな感覚であった。
彼女と求めあうたびに、私の渇いた心を満たしていく。
ああ、これが
「営業」
「契約」
か。
性欲だけではない。それ以上に必要なものがここにあり、満たせていた。
これが
「エロトロピー」
か。
次の日へ続く。
※最初の画像が捉え方によっては私が如何にも悪徳営業のようにお見えするかもしれませんが、当営業は一切の強要をしておりません。(むしろナヨナヨ系で女々しくて、早くしろよとそっちのイライラを募らせてしまう系の男子かと思います…)契約をしてくださったお客様方には感謝の言葉をいくら並べても感謝しきれないくらいの気持ちで一杯でございますです。考察は後ほど。