守る破する離れる。その1
- 2015/06/02
- 23:41
地蔵をして何が足りないのか、根本的に悩みに悩んだ結果、とにかく四の五の言わず営業を行えば解決する問題だということがわかった。だが、何故だ。まだ釈然としなかった。トランス状態にて日々念じてきた私の願望。それを叶えるための答えがこの時の私には出ていなかった。
願望とは3つある
一つは、仕事人として一流になること。
二つは、営業師として一流になること。
三つは、◯◯者として一流になること。
二つ目以外は私個人のリアルワークだ。一つ目の仕事は男優業。三つ目は◯◯業だ。それぞれ足りないものがあって、一つ目は体力と演技力。二つ目は最終学歴。筋トレをしながら底辺の◯◯◯に◯◯◯◯用の◯◯をしながら私も◯◯◯◯用の勉強を日々行っている。地味な努力と日々の積み重ねでそれらは近々順々に達成できるであろう。
二つ目の営業。私としてはこれが一番気がかりであった。
いわばこれは女関係だ。仕事ではない。私のなかに眠るエロトロピーや、闇を解消するためのプライベートであり、人生の課題だ。
仕事関連の答えは出ていてすでに行動に移しているのに、営業関連の出来事はまるで足が地着かずな状態。高石さんの本を読んでからというもの、営業について、自分について、コミュニケーションについて、深く考えることが多くなった。
私はこのままで良いのだろうか。
_____よくない。システマチック視点からも、トランスを用いたコミュニケーションを試すという意味でも。
どうすればいい。
_____営業するための一歩を踏み出せばいい。その一歩とは、相手への興味関心という内から湧き出る欲求でなければならない。
トランスした私は私の問いかけに具体的にかつ明確に解を述べてくれる。知っている。その答えはこの私ですら知っているんだ。今知りたいのはそれじゃないんだ。
答えが出ているのに釈然としない気持ちがあるのは何故。
_____それはまだ私の無意識下には問題点があり、その解が出ていないからだろう。
その問題点と解ってなに。
_____…。
答えてはくれなかった。濃い靄がかかっているように感じる。見えているようで見えていない何か。私が見たくても見れない何か、なのだろうか?私の無意識下では何が働いているのだろう。知りたかった。だが同時に危険な匂いもした。私の嫌いな匂い。近寄りがたい、近づきたくない何かが、そこになるような気がした。
警戒をしている中、ふと、思い浮かんでくるものがあった。
一人の女性。私好みの綺麗な顔。遠方に住んでいる私の魔法少女だ。
何故か私はその彼女との出会いから今までを思い出していた。実際はそんなに昔の記憶でもないのに、年老いたジジイでもないのに、まるで何十年ぶりの卒業アルバムを見るかのように懐かしみながら思い出していた。
彼女との出会いは2年前。
彼女の浮気によって絶望の底にいた私はそれまでの心を一新し、心を鬼にしようとしていた時期だった。手始めに始めたのがネトナンだった。普通の出会い系から、その人がどこ住みかわからないチャット形式のアプリまでいろいろ試していた。その中で10いかないくらいの女の子と出会い、契約をし、時には告白もされたりしながら私の自尊心を元どうりに取り戻そうとしていた。だが、どれも酷ばかり。普通な顔が来ればラッキー位で、満足いかず、契約後関係が続く何てことは一切なかった。完全に舐め腐っていた。
顔なのか、顔なのか、顔なのか?
私が求めているのは女性の顔なのか?
ある時チャット形式のアプリにて現れた彼女。
私好みの顔。…そこにいればすぐに営業をしたくなる顔。
私好みの声…ではないがキモオタが群れそうなアニメ声。
スト高。営業の専門用語なんて当時は知らないから、単純にいい女だとおもった。まぁ自撮りだから信用はならないし、酷な豚ほど良い声をする。ネット歴10年、経験人数5人以上10人未満のニワカが導き出した答えだ。
彼女とは仲良くカカオをしていた。はじめはグループチャット内で見かける程度であったが、次第に個人でもやりとりを続けていた。だが遠方住みだった。とてもじゃないが会えない。多分会おうとしてもしなくても一生巡り会えないであろう距離だ。だからかは知らないが、お互いに忙しかったりするし、ダラダラとただの電話したりスタンプ荒らしをしたりするくらいの友達でいた。お互いがお互いをかまってちゃんしている。お互いにそれで満たされていた。
そんな関係を続けて一年が経つであろう頃、いつものように電話していると彼女はある話題をふってきた。
「私、流星群見に行くんだ」
冬に出てくる流星群。何座かは覚えていない。
「へー、いいね。誰とー?」
「一人でだよ」
「えー?ひとりー?それなら俺も行くわ」
冗談という軽いノリ。だが彼女は
「うん、いいよ」
「え?まじで?」
それをそのまま受諾したのだった。
そして私は人生で二回目の飛行機に乗り、彼女の住む町へ飛び立った。
「やぁ」
そこには完璧モデル体型のパッツンのアニメ声の美しい女がいた。
つづく