何気ない普通の性行為
- 2015/11/28
- 01:32
私が北海道から東京へ戻ってきたときには終電はなく、下車駅のファミレスで一夜を明かした。そこで最後の消失を終えた後、私は魔法少女の巴マミとのアポへ向かった。
フライトの欠航によりお泊まりの旅行がおじゃんになってしまったため、巴マミにその償いを含めての今日のアポをとった。一旦帰宅し、トランクを部屋に投げ捨て、夕方まで雑魚寝、iPhoneのアラーム音で目覚めそのまま車で出かけ、巴マミを最寄りの駅で拾う。
「別に怒ってないからw」
車中彼女は言った。
「あと女の子と2人で遊びに行ったとかそういう訳じゃないってのも知ってるから」
私の謝罪に被せるようにして続けていう。計画を立て初めて行く泊まりの旅行をドタられた彼女とは思えない明るい振る舞いを見せてくれている。
「写真はないの?」
「撮ってないよ。目に焼き付ける派なもんで」
「残念」
「あ、ラーメンは撮ったよ!メシは別だよね、とりがいがある」
「それわざわざ送ってくれたじゃんw旅行中撮ったのほんとにあれだけなんだねw」
「そーゆーことになるな」
食事を終え、近くに遺跡があるのですこし探検したあと、ホテルへ。二契約。
「そういえば北海道行くとは言ったけど、男旅行ってなんで知ってたん?」
「そー言ってたじゃん」
「そうだっけ?そうそう、電話に出てもらった彼、いい人でしょ」
「面白かったw」
「どゆことー?結構鋭い人だからさ、北海道ではほんと彼には世話になったんよ」
「鋭いかぁ?別に喧嘩してる訳ではないのに彼のなかでは私たち喧嘩してるみたいになってたしw」
「んー?そうかねぇ…」
「てかどこに泊まったの?」
「〇〇」
「飲屋街じゃーん。アレだな、キャバクラでイチャイチャしてきたんだな」
「なわけ」
「ふーん」
「そんな金、まるでねーのは誰が一番知ってるの?」
「そういわれてみればそうかw」
「ラーメンとカニと雪と温泉と泥塗れの旅行だったのさ」
「泥って何w」
つい膣の(ゴムの)中でちょこっとションベンをしてしまい、いけぬまま三契約が完了。私はふかふかなシーツ乱れるベットに眠りついた。眠ろうとすると体をフェザータッチするという邪魔をしてくるので結局あまり眠れなかった。
薄らい夢の中で誰かが出てきた。この北海道の地で最も会話し、最も拒絶をされた人物。
「それでもナンパ続けるの?」
虚ろで曖昧な姿の彼が私に問いを投げかける。この質問は実際に彼が私に聞いてきた質問ではなかった。私の無意識の欲求なり疑問なり思考なりがこう、夢として現れ虚像の彼に言わせたのだろう。
私は、もちろん、と答えていた。