15、0、000
- 2016/02/06
- 21:01
パソコンを売るのでデータを整理。インストールした二次元の嫁たちを消せばならぬのは正直考えたくないほど悲しいが、賢者タイムの衝動を利用し一気に削除。嫁たちの記憶は我が脳味噌にきざみこまれている。忘れることもなかろう。問題なかろう。そう、キモいデュフフな自分に言い聞かせた。因みに私の最愛の嫁はシュタインズゲートの牧瀬紅莉栖であった。
二次元ギャルゲーフォルダを片付け、今度は18禁フォルダ。開いた瞬間にPCが固まった。重い、重すぎる。一度一階層上のフォルダまで戻り、プロパティにて使用容量を確認する。
「150ギガだと…?」
そして思い出す。これは去る(猿)高校時代から大学初期まで溜めまくったサンプル動画たちであると。主に3分で内容が構成されたmp4や3gpやaiv。それが150GB分。ああそういえばそうだったかもしれないと、遠い記憶いえど確かに知ってはいた事実で、特別驚くことはなかったのだが、あまりの莫大な量を久々に見つけたからか、軽くめまいがしていた。如何わしい動画サイトの開設が出来そうなレベルである。
私は底の見えないフォルダの中身を永遠とスクロールしながら、高校時代、このPCを用いて異常なまでのオカズ収集を行っていたことを思い出した。もはや抜きモノではなく、収集欲というべきかそんなような感覚で動画を集めていたような気がする。基本飽きて次のいいものを見つけるまでは一つのモノを何度も使いまくるわたしの性質からは到底考えられない量だったからだ。遠い過去の記憶をかるーく捻っても思い出せぬサムネイルを開き、二発目を行ってからスクロールを再開した。
やはり高校生だからか、制服、jkモノが多い。サムネからしてスーツモノが一切見当たらない。おねいさんというよりも同学年の女の子。(おばさんのコスプレ感で萎える作品もあったが)非日常感をネタに自家発電を繰り返していたのであった。
非日常感の興奮。それは多分今も残っているものだろう。昼の顔と夜の顔。社会での顔と外道での顔。みんなでいる時の顔と2人でいる時の顔。真面目で誠実でにこやかな子が、夜に狂い喘ぎ叫ぶ。狂喜の沙汰である。そんな狂喜を欲した。闇でもなく、明るさでもなく、愛でもなく、侵害でもなく、世間体でも、本心でも、怒りでも、悲しみでも、喜びでもない、よがり狂った狂気というものに私は栗華の香を放出し続けてきたのだ。
そんな左手を下に添え右手にティッシュをスタンバイしながら画面をガン見しまくっていたあの類人猿が、今画面の向こう側の世界に踏み入れている思うとなんかムラムラとこみあげてくるものがある。
興奮材料は昔となんら変わらぬ。非日常感。これだけだ。だが、その非日常感は少しばかり異なっていた。それは電子上であるかリアル体験であるかの違いだ。今まではただの映像であった。引きこもる日々の習慣のお供として端から見る非日常感ではなく、自身による非日常。それを今、ゆっくりとだが経験している。営業から即日で契約したという経験は私の中で間違いなく非日常としてカウントされていた。その分契約できなかったという記憶も脳裏に刻み込まれていった。営業を行うことででてくる大多数の苦労と少しの成果、各々の目標の為貪欲に営業を営む男たち。私自身がそんな環境に入ることで非日常になっていたのであった。
150ギガバイトを捨てるのはなんでか凄く悩んだ。もう使わないものである。だが何に思い入れがあるのか、少し戸惑っていた。戸惑ってはいたが、結局は捨てることができた。消すのですら凄く時間がかかった。私は150ギガバイトに因んでこれからは150人営業で抱いてきます、と合掌しながらPCが初期化されるのをまった待っていた。
(てかこのPCストレージ560gbもあるやがな。今の母艦ストレージ128gbやぞ?これまさか割といい値段なのでは?我が思い出の抜け殻…イカの匂いと共にあれ……)
15000円だった。