混沌
- 2016/06/28
- 07:12
『それは、何か理由があってのお誘いですか?』僕は僕が尊敬している恐れ多い存在の彼にお誘いのメールを送った。感謝の意も込めて『ごちそうさせてください』とのメールだ。と、名目ではあったが、もう一度彼に会って話してみたいと思ったからだった。この欲求は多分、今この自分の持つ現状の不安を取り除きたいが為のだと思う。だからメールを送ったのだ。最初は随分と考えなしに勢いよくメールを送ってしまった。だが送ってから...
演技
- 2016/06/26
- 02:16
ながえスタイル 代理セ〇クス撮影を終えた。僕のナレーションが本来入るはずだったがそこでもどうやら監督が求めている僕になることができず、「他の人材で充てる」とのことでこの演技はまるまるカットされた。悔しかった。申し訳なかった。ギャラを返上したくなった。慌ただしい現場でそれすらも申し訳なくなった。予定よりも随分早い終了となった。まだ終電にゆうに間に合ってしまう程の時間だった。領収書を切りおえ、帰りの支...
AV業界
- 2016/06/18
- 17:55
某日叫び声、悲鳴、泣き声が凄い女優がいた。彼女はプレイが始まると太ももに赤い痣や切り傷が浮び出てきていた。その切り傷は縦に深く長く紅く伸びていた。どさくさに紛れてその傷を舐めたかったが、今日のただのエキストラだ。某日VR撮影。所謂、一人称視点の撮影だ。監督が僕の左頬に黒い塊を押し付けながら行為は終盤まで続いた。そういえばしていなかったキスをした。彼女の舌はただ僕の舌を口から掻き出すように絡みついてく...
営業開始一周年記念指輪
- 2016/06/09
- 17:43
「先風呂入るね」そう言われ、すっかりリラックスできる場所として入り浸らせて頂いてしまっているこの部屋で私は間抜けた返事を返す。1人になったこの部屋で私は定価20000円の座っていても腰が痛くならない優秀な椅子に勝手ながら腰掛る。細めた口から息を吐き、腹に抵抗を感じ、肺が押しつぶされかけた後、鼻腔を鳴らし、上半身前方を膨らませる。吐く息の触れる舌からはナチュラルウォーターの味がして、吸う鼻炎気味の鼻からは...
弱さの弾圧
- 2016/05/10
- 16:24
昔の上司たちと話した。社会で育ち、社会に揉まれ、社会で自尊心を育んできた人たち。彼らは長きに渡って確固たる強い意志を作り上げた。そうそう簡単にこの意志は崩されないのだろう。そんな強い自尊心を形成した人たちから四方八方に私の生き方を批判された。まただ。もう随分慣れっこだ。慣れっこだが気持ちの良いものではない。社会的外道の批判。私の存在は彼らの口をより多く動かす。そこに影があるから光ができるように、彼...